← 前のページ
ページ 24 / 108
次のページ →
翻刻
金砂山略縁起
常州久慈郡金砂山に立給ふ山王大権現ハ 文
武帝の御宇役優婆塞一言主の讒にかゝり豆州
大島に遠流せられける夜は密に囲を逃出て富
嶽に登暁る帰給ふ或時常陸の方海上を望給ふ
に金色の光を顕し且音楽の響聞へけるとなむ
神童顕れ行者に告て曰光は薬師如来の浄土光
明に映し砂変して金色をなせりと示ける大宝
元年行者赦免有て帰の砌 文武帝へ此旨を奏
聞せしに叡感不浅詔有て当山塔社造立有此縁
困によりて金砂山と号行者自ら像御を作り弥勒
三会の暁迄是を伝へしと誓給ひし霊山也嘉祥
年中慈覚大師再興也 承和五年入唐し同十
四年帰朝の時海上俄に悪風起逆浪天を突其時
大猿船中に顕楫取せしに忽風静り危難を逃れ
給ふ夫より興法利益の霊山を尋当山に来給ひ
し時樵翁出て示て曰汝海上の難を救へしハ瑠
璃光如来の利験也仏の在すへき霊【見せ消ち「山」】地旨にて
也速ニ二十一社を創立し国家豊饒たらむ事を
鎮護すへしと云々薬師如来正身尊影を大師自