翻刻
【右丁】
《振り仮名:■葜|はつかつ》【注①】 さるとり《割書:和名|鈔》 さるとりいばら《割書:京》
みゝづくいはら《割書:和|泉》 わさんきら
ほらぐい《割書:備|前》 老仏頭《割書:福寧|府志》
山野に多し条蔓(しやうまん)薔薇(しよやうひ)《割書:いは|ら》に似て堅(かた)く剌(とけ)【注②】あり葉(は)円(まる)くして三縦道(みつたてすし)あり葉毎(はこと)に両(ふたつ)の
鬚(ひけ)あり夏月(なつ)枝(ゑた)の梢(こすへ)に六弁(むへら)の小(ちいさ)き黄花(きいろのはな)を開(ひら)き秋月(あき)実(み)あり紅色なり根(ね)の節(ふし)に塊(かたまり)
ありて硬(かた)く形状(かたち)土茯苓(とふくれう)に似(に)て紅色(こうしよく)硬(かた)し又 嫩葉(わかは)に紫色(むらさきいろ)の斑(またら)あるものあり
一種 蔓生(まんせい)の物(もの)
蔓生(つるたち)にて条(しやう)軟(やはらか)く葉(は)は《振り仮名:■葜|はつかつ》【注①】に似て正円(せうゑん)なるあり花(はな)毬(きう)をなして六弁(むへら)小黄花(せうわうくは)を開(ひら)く
根(ね)は土茯苓(とふくれう)に似て大なる塊(かたまり)をなす
【左丁】
一種 円葉(まるは)の物(もの)
一種 へいけす
特生(とくせい)の《振り仮名:■葜|ばつかつ》【注①】なり条(しやう)直立(ちよくりつ)し高(たか)さ一二尺 鬚(ひけ)なく葉(は)は《振り仮名:■葜|はつかつ》【注①】より狭(せは)し花(はな)は
同(おな)し此(これ)は救荒本草(きうくはうほんさう)の山梨児(さんりじ)なり
一種 ひめ《振り仮名:■葜|ばつかつ》【注①-a】
苗(なへ)至(いたつ)て矮小(わいせう)三五寸 葉(は)甚(はなは)た小にして小豆(あつき)の大さ形(かたち)虎剌(こし)【注②】《割書:ありと|ふし》に似(に)たり花は六弁(むへら)黄色(わうしよく)
にて小なり根(ね)は蔓(つる)の如(こと)く土中を引(ひき)処々(しよ〳〵)苗(なへ)を生(せう)す
【版心の中央部に記載あり】
■葜【注①-a】
【注① ■は艹+禾+「友」の上に「ノ」(①-aは「ノ」の右に「ヽ」)。菝の誤ヵ(4コマは菝となっている)。】
【注② 剌は刺の誤ヵ】