翻刻
【右丁】
一種
【左丁】
威霊仙(いれうせん) くがいさう とらのを《割書:越|前》 くるまさんしち《割書:加|州》
江州佐州野州日光山にあり春(はる)宿根(ふるね)より生す葉は桃(もゝ)の葉(は)に似(に)て八九葉 一節(ひとふし)に対(たい)
生し車の如(こと)く八九 層(さう)あり秋月(あき)梢(こすへ)穂(ほ)になり形(かたち)兎児苗(としへう)の花(はな)に似(に)て淡紫色(うすむらさきいろ)穂(ほ)
に岐(また)を分(わか)つ物(もの)あり又白花の物もあり根(ね)は数条(すしやう)ありて細辛(さいしん)に似(に)て長(なか)く蘇頌(そせう)の説(せつ)
是(これ)なり時珍(しちん)は鉄却(てつきやく)威霊仙(いれうせん)《割書:かさく|るま》【注】を以てこれにあてゝ蔓草類(まんさうるい)に入るは誤(あやまり)なり
諸本草(しよほんさう)の図(つ)に載(のす)る処(ところ)皆(みな)蔓草(まんさう)に非(あら)す
一種
肥後及ひ奥州の産(さん)は葉(は)短(みしか)くして毛茸(け)あり花(はな)淡紫色(うすむらさきいろ)これ備急本草(ひきうほんさう)の図(つ)の
並州(へいしう)威霊仙(いれうせん)なり
【版心の中央部に記載あり】
威霊仙
【注 「鉄却」は目次(28コマ)では「鉄脚」となっている】
【十一行六字目「に」は別の字の上から書き直したように見える】