翻刻
桜を見やり給に【見ていると】ぬしなきやとのまつ【まづ】
思やられ給へは心やすくなとひとりこちあ
まりて宮の御もとにまいり給へりこゝ
かち【とかく此方にいるほうが多いこと】におはしましつきていとよう【すっかり】すみな
れ給にたれはめやすのわさ【見た目に感じが良いこと】やと見たて
まつるものかられいのいかにそや【どういうわけか】おほゆる心の
そひたるそあやしきやされとしち【実】の御
心はへはいとあはれにうしろやすくすくそ
思ひきこえ給けるなにと【「と」の左に「ヒ」と見える字が傍記】くれと御物かた
りきこえかはしたまひて夕つかた宮は