翻刻
なからその事となくて【用事もないのに】きこえさせんも
中〳〵なれ〳〵しきとかめ【咎め】やとつゝみ侍る
ほとに世中かはりにたる【変わってしまった】心ちのみそし
侍や御まへの木すゑもかすみへたてゝ
みえ侍にあはれなる事おほくも侍かな
ときこえて【仰って】うちなかめてものし給けし
き心くるしけなるをけに【げに=本当に】おはせましか
は【(大君が)いらっしゃれば】おほつかなからす【疎遠にならず】ゆき返【行返り=行き来し】かたみに花
の色とりのこゑをもおりにつけつゝす
こし心ゆきて【満足して】すくしつへかりける世を