翻刻
増補多識編隰草類ニ曰
剪紅沙(せんこうしや)花 和 今按に仙翁花
名
群書に剪紅沙花を
のうぜんと訓す可考
五鳳州集曰吾か邦に有有一種の竒花毎歳
以六七月を着く紅を謂之を仙翁花と世に傳ふ
自り嵯峨の仙翁寺所なり出る大唐
論する 花を夥し未聞有る を此名
文政七甲申年林鐘初二日
望両真意寫
大和本草ニ曰
剪秋(せんほう)羅 又剪紅花とも云り
三種
今皆仙翁と云ふ是ハ嵯峨の仙翁寺より
出たる故名つく今仙翁寺絶てなしと云り
然共仙翁寺の舊地は在て大覺寺の西の爲る村の名と
《割書:今愛宕山の一の鳥居の東の道の傍に|有小堂號仙翁寺|》疑らくは僧
奝然取得る種を於中國より者矣此事
不載せ大和本草
和漢三才圖會濕草類曰
剪紅羅(せんのうけ) 《割書:せ|ん|》 剪春羅
《割書:唐音|ふあん ふきん ろう|》 剪秋羅
剪紅沙花
俗云仙翁花
今云世牟
環集考め曰
本草綱目曰く外に剪紅沙花剪
秋羅花二種畫譜云有五種春夏
秋冬の羅は以時を名く也春夏の二羅は
紅にめ不隹なら獨秋冬の者は紅深色にめ美し按に
剪紅羅は總名也有數種皆夏月開
花遅者は至る秋に是秋剪紅羅也冬は
乃枯る宿根より春生す苗を故未た見春冬
開く花者を畫譜の説不是なら