徳島県立図書館所蔵資料を翻刻

コレクション: コレクション1

花土産 - 翻刻

花土産 - ページ 26

ページ: 26

翻刻

  四条東洞院の画工藤洞斎はもと   わか郷の人にして知己の友也こたひ   芳扉を尋ねてかたみに無事を   賀して饗応心を尽せり殊に   此ぬしの家童子は故老師来雪翁の   うまこなれは其面影もなつかしく   遅【延=見せけち】々たる春の日の窓に斜なるを   しらす笑語かへる期を失ふ主人   予幸を祝して亀を画て其齢に   たくへて足下の名四方に申たらん   事を希ふのみ その流れ其名も華の筆四海   春既末の九日都を立てかへるさ   東山のまたみぬ処〳〵に詣て宇治の   かたへ趣く都余波暮行春に   くはゝるも猶さらにおほえ侍りて 花に香にこゝろあるしの情ゆへ かりのやとりの春おしそ思ふ