翻刻
【右丁】
三才千字文序(さんさいせんじもんのじよ)
先(それ)人(ひと)の智(ち)あるは自然(しぜん)也(なり)見聞(けんもん)する所(ところ)を心(こゝろ)に記(しる)して事物(じぶつ)の理(ことはり)
を弁(わきま)ふるに賢愚(けんぐ)の別(べつ)ありといへども馴(なる)るに随(したが)ひて其端(そのはし)を覚(さと)
らざる者(もの)なし学問(がくもん)の優劣(ゆうれつ)他(た)なし只(たゞ)識(しき)と不識(ふしき)とにあり近世(きんせい)
惕斎先生(てきさいせんせい)訓蒙図彙(きんもうづい)を著(あらはし)て童蒙(どうもう)に便(たより)す則(すなはち)人をして品物(ひんぶつ)の名象(めいしやう)
を識(しら)しめんとする而已(のみ)吾家(わがいへ)の児女輩(じじよはい)此書(このしよ)を玩(もてあそん)で先生(せんせい)の余沢(よたく)を蒙(かうむ)る
事(こと)少(すくな)からす故(ゆへ)に能(のう)書生(しよせい)某(それがし)に属(ぞく)し書中(しよちう)の四言(しごん)千文(せんもん)を筆(ひつ)せしめ剞劂(きけつ)
に附(ふ)して世(よ)に伝(つた)へ童子(どうじ)をして是(これ)を玩(もてあそば)しめ傍(かたはら)書学(しよがく)に便(たより)せんとす就中(なかんづく)
本書(ほんしよ)に考(かんが)へて図画(づぐわ)訳文(やくもん)を見時(みるとき)は童稚(どうち)の識(しること)を博(ひろ)くするの一助(いちじよ)ならずや
天明元辛丑之夏謙斎序
【左丁】
増補訓蒙図彙(ぞうほきんもうづい)凡例(はんれい)
一 凡(およそ)《振り仮名:此-編|このへん》《振り仮名:事-物|じぶつ》之(の)《振り仮名:名-称|めしやうい》雖(いへとも)_下皆(みな)以(もつて)_二漢字(かんじを)_一題(だいすと)_上レ之(これに)而(しかも)実(じつは)以(もつて)_二和(わ)-
名(みやうを)_一為(す)_レ主(しゆとす)【「す」衍】蓋(けだし)《振り仮名:本-邦|ほんほう》《振り仮名:中-華|ちうくは》《振り仮名:風-土|ふうど》之(の)殊(ことなる)如(ごときだに)_二《振り仮名:乾-象|けんしやう》《振り仮名:坤-儀|こんぎ》之(の)名(めい)-
状(じやう)《振り仮名:飛-潜|ひせん》《振り仮名:動-植|どうしよく》之(の)《振り仮名:形-色|けいしよく》【一点脱】猶(なほ)不(す)_二《振り仮名:必-同|かならずしもおなじから》_一矣 况(いはんや)《振り仮名:人-俗|にんぞく》《振り仮名:工-技|こうき》之
所(ところ)_レ習(ならふ)《振り仮名:堂-宇|だうう》《振り仮名:器-服|きふく》之(の)所(ところ)_レ制(せいする)豈(あに)得(ゑんや)_二《振り仮名:牽-強|けんきやう》而(して)合(あわすることを)_一_レ之(これに)故(ゆへに)随(したがつて)_二国(こく)-
俗(ぞくの)《振り仮名:称-呼|しやうこに》_一各(おの〳〵)取(とりて)_二《振り仮名:漢-字|かんじ》之(の)《振り仮名:事-義|じき》《振り仮名:形-状|けいじやう》《振り仮名:近-似|ちかくにたる》者(ものを)_一以(もつて)名(なづく)_レ之(これに)観(みる)-
者(もの)須(すべからく)【左ルビ:べし】_二先(まづ)知(しる)_一_レ之(これを)其(その)未(いまだ)【左ルビ:ざる】_レ得(ゑ)_二以(もつて)名(なづくること)_一_レ之(これに)之(の)字(じ)者(をば)欲(ほつす)_下題(だいするに)以(もつて)_二《振り仮名:和-名|わみやうを》_一
続(つがんと)_上_レ之(これに)然(しかれども)未(いまだ)【左ルビ:ず】_レ暇(いとまあら)_レ及(およぶに)_レ此(これに)
一 凡(およそ)《振り仮名:一-事|いちじにして》而《振り仮名:数-名|すうめいなる》者(ものは)以(もつて)_二《振り仮名:正-名|せいめいを》_一為(して)_レ標(へうと)而 注(ちうす)_二《振り仮名:異-名|いみやうを》于《振り仮名:其-下|そのしたに》_一
或(あるひは)為(ため)_レ拘(かゝはるが)_二于《振り仮名:属-対|ぞくたいに》_一或(あるひは)為(ために)_レ避(さるが)_二于《振り仮名:重-字|ぢうじを》_一題(だいするに)以(もつてする)_二《振り仮名:異-名|いみやうを》_一則(ときは)注(ちうするに)以(もつてして)_二
【国立公文書館デジタルアーカイブより別本を参照 https://www.digital.archives.go.jp/DAS/meta/listPhoto?LANG=default&BID=F1000000000000037253&ID=&NO=1&TYPE=JPEG&DL_TYPE=pdf】