翻刻
をひはらひつへきしつのおのむつ か(ま)【左に「ヒ」と傍記】しうあはれ
におほさるゝも我なからかたしけなくくし【屈し 注」】に
ける心のほとおもひしらるゝ御ふみにあさ
ましくをやみなきころのけしきにいとゝそらさ
へとつる心ちしてなかめやるかたなくなん
浦風やいかにふくらむおもひやる
袖うちぬらしなみまなきころあはれにかなし
き事ともかきあつめ給へりいとゝみきはまさ
りぬへくかきくらす心ちし給京にもこの雨か
せあやしきものゝさとしなりとて仁王会
【注 「クッシ」の促音「ッ」を表記しない形。心がふさぐ。気が滅入る。意】