翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

安政大地震繪 - 翻刻

安政大地震繪 - ページ 16

ページ: 16

翻刻

【四角い縁取りの中に】 恵比寿天(ゑびすてん) 申訳(もふしわけ)【譯】之記(のき) 我等諸神に留守居をあづかり罷居候ところ あまりよきたいをつりしゆへ一 盃(はい)をすごし たいすい ̄ニ 【大酔】および候あいだをつけこみたちまち かなめいしをはねかへし大江戸へまかりいで 藏(くら)のこしまき【土蔵の外壁の下部の特に土を厚く塗りまわしてある部分】をうちくづしはちまき【土蔵の軒下で、横に一段厚く細長く土を塗ったところ】を はづし諸家(しよけ)をつぶし死亡(しぼう)人すくなからず 出火(しゆつくわ)いたさせはなはだぼうじやくふじんの しよぎやういたし候ゆへさつそくとりおさへ ぎんみ仕候ところ一とうのなまづは身ぶるひして 大 ̄ニ おそれ一言(いちごん)のこたへもなくこのときかしらだち たるとみゆるものつゝしんで申かよふ 〽おそれながら仰のおもむきかしこまり候也此たび大へんの ことは一とふり御きゝ遊されく下さるべし此義は申上ずとも御存の 義にしてはるなつあきふゆのうちにあついじふんにさむい日あり さむいときにあたゝかなる日ありかくのごとくきこうのくるひ 有てかんだんの順なるとしは少く候今年最ふじゆんなから ごゝくのよくみのり候は八百万神の御守遊され候 御力による所也さて天地にかんだんの順のさだまり ありてはるなつと其きのじかうことの外くるひ候ゆへ わたくしともくにのすまひにては以の外おもしろき じせつになりたりとわきまへなきものどもちん しんのごとくくるひまはり候ゆへわたくしども いろ〳〵せいとう【制統】をいたせどもみゝにもかけず らんぼうにくるひさはぎ候よりつひに思ひよら ざる日本へひゞき御しはいの内なる ところをそんじ 候だんいかなる つみにおこなわるともいはい【違背】 これなく候也され共わけて 御ねがひにはわたくしども のこりなく御うりつくし候とも そんじたるいへくらのたつにもあらねば まつ【まづ=とりあえず】しばらくのいのちを御あづけ 下されこれより日本のとちをまもり いかなるじかうちかひにてもこの たびのごときことはもうとう仕らず 天下たいへいごこくほうねんを 君が代をまもり奉り候べしと 一とうにねがひけるゆへわたくし より御わび申上候ところさつそく 御きゝすみ下されまことに もつてありがたく候 きやうこう【向後】十月のため よつて苦難(くなん)のことし   自身(じしん) 除之守(よけのまもり) 東方 西方 南方 北方 ■  ■  ■  ■【梵字と思われる文字が四文字】      右四方へはるべし ■【梵字と思われる文字】《割書:家の中なる|てん上にはる》又守に入置てもよし