翻刻
【右丁】
重田一九大人案
臨泉堂先生書
《割書:頭書|万用》婦人手紙(ふじんてがみ)之(の)文言(もんごん)
児女教訓手習状入
東都書林 尚古堂梓
【左丁】
婦人手紙之文言叙
倭語(わご)に書状(しよじやう)をふみといふはふくみといふ事を略(りやく)したるなりと
いふよろづの事この中にふくみたるといふ意(ゐ)なるべし寔(まこと)や千里(ちさと)の
外までも心のまゝをとゞかしむるは手跡(しゆせき)の徳(とく)にして人のうへには
第一に是を学(まなば)ずんば有べからず故(ゆへ)に婦人(ふじん)といへどもしら
されば恥(はぢ)おほく生涯(しやうがい)事たらぬがちにて賢(かしこ)きも愚(おろか)に見ゆるは
口(くち)おしき事ならずやよて児女の為に此書をあらはしてさきに
梓行(しかう)せし手紙の文言に嗣(つ)ぐものなり文のつたなき事
文字の謬(あやまり)あらはそは見ゆるし給へかし
重田一九識
【同右端蔵書印】東京学芸大学蔵書