翻刻
真間 下総の国真間山弘法寺は日蓮宗の古跡也
【挿絵】 佛殿の庭に楓の古木ありいにしへ二本植
たる木なるへし今は大木と成一本二股に
見ゆ廻り丈余にして枝十余間四方にはひ
こり珍木也葉形山楓也堂番の小僧物語に此
葉の中に獅子口とてかさね葉有外の楓に
《割書:獅子口葉如此》 替りたりと云心を付て見侍れは其如く成葉もまゝ
【挿絵】有秋の色はたいていに染る此種を植て真間の
もみちと云真間は山号にてもみちの名に【注】
見物人多し江戸より舟路自由にてよし
花もみちわくは心の色香にて
なにかは法のほかのものなる 通村
七瀬川 葉形切込ふかくすかして間た
【挿絵】 透まわりにきさみありはるの
出葉より薄紫にて後ほと葉の
真中青みてすしのことく
とをりまわりはうすむらさき
ふたんなかめあり秋の紅葉
いろ〳〵に染る
通躬
秋ふかきこの川きしに影見へて
色のふちせくえたのもみちは
【注 別本は、「よび」が加わる】