翻刻
水かゝみ 葉形よく出はうすしろく
なる事もありすへて青し
枝もしたれて不断なかめ有
【挿絵】 秋の紅葉さま〳〵にて紅いろ
よくすくれて流れに移り
ては水を照らし波を染る
その錦筆に及ひかたし
亀山院
紅葉はの下行水にかけみへて
散らぬこすえ《見せ消ち:■|ソ》根にかへりぬる
をくしも 葉形ちいさくはことによれてしほあれは
俗よんてちりめんもみちといふ
葉のうらより表へまくれてうす
白く霜ふりのやうなりとてをく
【挿絵】しもと名付異形なるはふり
珍敷秋の紅葉にかへたり秋は
あまり紅葉なし
前大僧正慈円
もみち葉をおのか染たる色そかし
よそけにをける今朝の霜かな