翻刻
【右丁】
可相及也係る大益を目の前に差置手を空しくせんは
神慮如何と恐怖仕候也扨表題 斎庭之穂(ユニハノイナホ)と相号け候
所以は神代の昔商皇産霊尊大己貴命之改心之節
給はり候稲穂之古事にて近く申候時は清浄なるたべ
ものと申事に御座候然るに驕奢増長之世の中にて
下々不浄之食物は神慮に不相叶候故に天変地妖も
有之候事と奉存候猶米金等分之古制に復し候上は
斎庭之穂と可相成候乍恐此趣意御取持相成候時は四海
困窮之憂ひ除き御心配之廉には科戸の風の天の金
雲て吹払ふ事の如く之て御代の長久は際りしるへからす
【左丁】
奉万歳祝候故に斎庭之穂と題して天下太平の
御祈祷を希ふものならし
癸卯十月日 梅辻飛騨守謹上