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【タイトルなし】
序(ついで)に火(ひ)のてを見てたもれどつち
の方しゆへ〳〵ノウ【ノウ:小書き】消(きえ)ぬかいな地(ぢ)しん
なめゆりかいし火(ひ)のてを見たいばかりて
たも〳〵火事しや〳〵地震(ぢしん)はめでたや
目出度(めでた)やなサミ【サミ:小書き】ゆり〳〵此家(このや)を逃(にげ)さる
廻(まは)し消(きえ)るめでたにいつまでも命(いのち)全(まつた)ふ
してたもと火(ひ)は見へねとも見送(みおくり)る 【見送の読みで「り」は不要か】
原野宿(はらのじゆく)も一夜(ひとよ)【一と夜の間にトがあるかも】で店(たな)さがし潰(つぶれ)た
家(いへ)で暇乞(いとまごひ)はりが重(おも)しとなり震(ふり)も
ゆるに土蔵(どさう)土(つち)崩(くづれ)猶(なほ)えさうしにしゆかはつ
《割書:地しん|てんぺむ》堀川の
下の巻 揺(ゆり)こはしの場(ば)