翻刻
【上段】
ころは嘉永七寅年十一月
四日朝四ツ時大地震
山の手下町本所深川朝浅
くさ千住品川辺近郷近在
武州ちゝふ辺中にも桜田南
部さま甲斐様丸の内御やしき
久保町飯倉十番芝新錢
座会津様小網町日本橋
辺小川町いなり小じ辺
のやしき此辺ふるい水道はし
小石川辺本郷にて物屋むろ落
けが人あり小名木川迄石かけ
くづれ堀江ねこさね辺つよく
こしいん原大名三間ふるい まれ
なる次第なり諸君の高らんに
そなえるもの也
【上段】
/万歳樂(まんざいらく)の
津ら称
/東西南北(とうざいなんぼく)/四夷八画取(しゐはつくかとり)
/天地乾坤(てんちけんこん)の/其間(そのあいだ)に
/何(いづ)れの/土地(とち)も/動(ゆら)ざらんや
/遠(とふ)のらん国へ/便(たより)にさけ/近(ちか)くは
ゆつて/眼(め)に/泪神無月(なみだかみなしづき)と/□(さいは)ひに
/家(いえ)/落(らく)/堂社(どうしや)をゆりこわし/大地(だいち)が
/裂(さけ)て/此世(このよ)から/奈落(ならく)へ/沈(しづ)むゆびさや
ゝつのん/野宿(のじやく)する/身(み)の/苦(く)/病(やまひ)
五こが/雨降(あめふり)かゝる/涙(なみだ)/砲(ふりがな)/硯(すゞり)の水ぐすに□に
/地震(ぢしん)の/歌(うた)をしかべと/柿(かき)の/素(す)
/袍(すう)や/大太刀(おふだち)を/仮(かり)の/衣物(いしやう)の/成田屋(なりたや)
もどき/法(まつり)/出(いで)たる/其(それがし)は/鹿嶋(かしま)/要(かなめ)石の助
/石□(いしず)といふ神/豊(とみう)/南(なん)/膽(ぐら)/歌(ふた)/臺(いふ)へはい
に/尾鰭(をひれ)はべするのらくら/者(もの)/鯰(なまづ)/坊主(ぼうづ)は
/吉例(きちれい)の/顔見世(かほみせ)/近(ちか)き
十月二日/□(のふ)/是(これ)のらは/般若(ばんじやく)と/踏(ふみ)
/堅(かた)めたるあはふ/皇国(みくに)ゆるがぬ/御代(みよ)の
/万歳楽(まんざいらく)/此(この)/後(のち)さまたげひろざない/筋(すじ)
/骨(ほね)/抜(ぬき)の/蒲焼(かばやき)となして/凡夫(ぼんぶ)/口(くち)ほにり/込(こむ)と等々
納てもふす