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【上段】
玉ひしかは内侍(ないし)やがて袖(そで)に
うけさせ給ふよりしてはじ
めて内侍所と崇(あが)め奉る也
されは鏡(かゝみ)は神(かみ)の御 形(かた)ちを
うつしたる物なれはすゑ〳〵
の者(もの)まても朝夕 鏡(かゝみ)にむ
かふ度(たび) 毎(こと)にわか心の曇(くも)りを
あらためてさてみめかたち
をつくるべし鏡(かゝみ)はあきらか
なる物なれはゐかり有れは
いかりのかたちをあらはし
かなしみあれはうれいの想(そう)
をみする事たかふる事なし
しかれはかたちをうつして
心(こころ)をあらたむる事かゞみに
むかひておそれつゝしむべし
【下段】
中納言家持(ちうなごんやかもち)
鵲(かささぎ)のわた
せる
はしに
をく
霜(しも)の
しろきを
みれば
夜(よ)ぞ更(ふけ)にける