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【上段】
明(あけ)くれみにくき形(かた)ちをあ
らたむる物なれはゆめ〳〵
そまつにすべからす円鏡(ゑんきやう)と
いゑるは円(まろ)きかゝみなり
柄(ゑ)の付たるをは手鏡(てかゝみ)と
いふなり唐土(もろこし)にては黄帝(かうてい)
の御時十二 面(めん)の鏡を月〳〵に
用ひ給ひしとかや又 堯(きやう)の帝
臣下(しんか)の尹寿(いんしゆ)といふもの始て
作り出せるよしふるき
文(ふみ)にもしるし侍(はべ)る誠(まこと)に
鏡は我 日(ひ)の本(もと)にして
第一のたからなる事(こと)を
しりて女(おんな)はつね〳〵つゝし
みにつゝしみをかさねて
よく〳〵心得へき事なり
【下段】
喜撰法師(きせんほつし)
わが庵(いほ)は
みやこの
たつみ
しか
ぞすむ
よを
うち山(やま)と
人(ひと)はいふなり