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【上段】
ともへ女
木曽義仲(きそよしなか)軍(いくさ)利(り)なく
して江州(ごうしう)粟津(あはつ)に打死(うちじに)
す此日 巴(ともへ)敵陣(てきぢん)を打(うち)や
ぶつて大(おゝ)きにたゝかひ
つゐに生(いけ)どられて和田(わだ)
義盛(よしもり)か妻(つま)となり一人
の男子(なんし)を生(う)めり出生(しゆつしやう)
の子(こ)は朝比奈(あさひな)三郎 義(よし)
秀(ひで)是(これ)なり建保(けんほ)の乱(みだれ)
に巴(ともへ)九十一才にて越中(ゑつちう)
の国(くに)にて打死(うちじに)をせし
となり
【下段】
春道列樹(はるみちのつらき)
山河(やまかは)に風(かぜ)の
かけ
たる
しがら
みは
ながれも
あへぬもみち
なりけり