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【上段】
行基(きやうき)是をいとひ玉はず病(ひやう)
夫(ふ)の五 体(たい)をすはせ玉ふ其(その)
時(とき)ふしきやかの病夫(びやうふ)金色(こんじき)
しやうごんの仏体(ふつたい)と成り
善哉(よいかな)〳〵我は是(これ)温泉(おんせん)山
正真(しやうじん)の薬師(やくし)なり汝(なんぢ)が精誠(せいせい)
の心をしらんため方便(ほうべん)を
もつてあらはれたり是(これ)より
津の国(くに)有馬(ありま)のふもと温(おん)
泉(せん)の屈(くつ)にいたり湯(ゆ)の山
を開起(かいき)して末世(まつせ)衆生(しゆしやう)
の病苦(ひやうく)をたすけよとし
めし玉ひ光りをはなち
【下段】
曽祢好忠(そねのよしたゝ)
ゆらのとを
わたる
ふな人
かぢを
たえ
行衛(ゆくゑ)も
しらぬ
恋(こひ)のみちかな