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【上段】
白雲(はくうん)に乗(じやう)じてこくうに
失(う)せさせ給ふ行基(きやうき)仏勅(ふつちよく)
にまかせ温泉(おんせん)の屈(くつ)にいた
り泉府(せんふ)を封(ふう)し石像(せきぞう)の
薬師(やくし)を作(つく)り奉(たてまつ)り妙法(めうほう)
経(きやう)を書写(しよしや)し温泉(おんせん)の
底(そこ)にうつみ給ひ一 切衆生(さいしゆじやう)
諸病(しよびやう)めつしよと祈誓(きせい)
をかけ加持供養(かぢくやう)にいたる
をねんころに行(おこな)ひたまひ
末(まつ)世 衆生(しゆじやう)の病苦(ひやうく)を救(すく)
はせ玉ふ
○一 乗院(しやうゐん)の御宇(きよう)正徳【注】
【下段】
源重之(みなもとのしげゆき)
風(かぜ)をいたみ
岩(いは)うつ
なみの
をの
れ
のみ
くだけて
物(もの)を
おもふ比(ころ)かな
【「一乗院」は「一条院」の誤ヵ。「正徳」は「正暦」又は「長徳」の誤ヵ。和泉式部が有馬温泉で歌を詠んだ年、年齢は不明。】