翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

九替十年色地獄 : 3巻 - 翻刻

九替十年色地獄 : 3巻 - ページ 14

ページ: 14

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むけんぢこくといふはこのいろぢごくに うつてつけたるぢごくにてそのかみ 梅がへより此ぢごくはしまりいしにもせよ 金にもせよといふたことばののこりて 女郎のみふんさうをうに【身分相応に】いしにもかぎらず 金にもよらずてうづ はちをくめんして かつてしだいに つく事なり 「さきのよは ゑい〳〵ゆきの ゆうべのよたかと なりこのよはあさ めしがひるに なるともだんなへ だんなおかみさん ましのかわで【?】 おす ねへ 「わつちやァ ちつと ねがひの すじが ちがふ 金なら たつた 六十か 七十りやう しゆうながらしろもの ならふしきのよぎに いたじめの三( ̄ツ)ふとん しきぞめのそばまで つけてほしひナア 「中にもふりそでの しんぞうなぞはてうづ ばちやひしやくのくめんも できかねれど 心ざす所はやつはり むけんのかねちやわんを てうづはちになぞらへ かんざしをひしやくに たとへてむけんの はしたぜにを つくもあり 「わたくしはぜになら たつた二( ̄タ)すじか 三すじ キの字やへ おまんまの おかづを とりにやる ほどのぜにがほしひナア 「二八十六でぶつかけ一( ̄ツ) 二九の十八てあまさけ三ばい 四五の二十でだんごか四くし 【無間の鐘は歌舞伎『ひらかな盛衰記』に出てくる伝説で、ある仙人が不動明王に捧げるため鐘を作り山の上の松の木にかけたが、これを七回つけば末長く長者になれると聞き、極悪な長者が欲に駆られてついたところ三度の食事がみな蛭になり大変な苦しみの末に死んだとされる。「女房の朝寝と無間の鐘は朝のごはんが蛭)昼)になる」と歌われた。歌舞伎では遊女の梅ヶ枝が恋人の鎧を質屋から出すためにお金が必要になり、無間の鐘の伝説を思いだし、手水鉢を鐘に見立ててつくと三百両降ってくる。】