翻刻
打つゝき大納言に成給ふ御門扨もはりまの
三位四ゐの少将をはいかにはからふへきさつまの
方へなかすへしとせんし有は兵衛の給ふ
やう仰にて候へ共父大臣草の影にてみ候はんも
哀に候へはこんとのよろこひにるさいを御
とゝめ候やと申されけれはさるにても
あまりにくき物成はかむりおはいくはん【他本-ひくわん】を
とゝめてなを浅ましと覚ゆれはおやこ三人を
は都の内をおい出してやとさためぬ物とな
すへしとせんし成けれは九重の内出され
けりさる程に后の宮打つゝき二の宮出き
させたまふ其御よろこひに大なこんくはん白
てんかと申けるしゝうのないしは北のまん所と
申ける御門わか宮二人姫宮二人出き給ひぬ
一の宮に御位ゆつり給ひ二宮とうへくうに立
給ふ姫君一人いせの斎宮に立給一人はかもの
さいくうに立給くわんはく殿もわか君姫君
あまたをはしますちやくしとうの中将二郎殿
は三位三郎殿は四位の少将とそ申ける
見る人めてたき御くわほうとそ申ける