翻刻
東第一の大市
なり極月十七
八日にかぎり
往来(おうらい)は馬(むま)駕籠(かご)を
とゞめ船は
川を
せましとす
陣笠(じんがさ)は朝霜(あさしも)にきら
めきわたり革(かわ)
羽織(はをり)のいかめし
きは
潤(くわつ)達(だつ)なり
蕎麦切(そばきり)は裏(うら)
店をかりて
仕込(しこみ)餅(もち)は
十五日より
竹の皮(かわ)に
つゝむ
醴(あまさけ)は嘉例(かれい)と
なり
燗酒(かんさけ)はたちなから
呑(のむ)にさだまる
商(あきない)物に千代(ちよ)を
つむらんと
よまれし
為頼卿(ためよりきよう)は
猪牙(ちよき)にて
市にたゝれ
つらんかいふかし