翻刻
【右頁】
ませとふかくきせい申てさいもん
にてはるかににしをみわたせはかす
かにみゆるあはちしまかよふちとり
のこゑ〳〵にともよひかはすこゑすみ
てこきつらねたるあまをふねなみ
にたゝよふありさまはわか身のうへ
とあはれなりこゝすみよしの松
みえて人まつ風そ身にはしむ
いく世へぬらんきしのひめ松と
うちなかめ給てうそふき給ける
そよしなき神ならぬ身のかなし
さはなにはのうらにすみなからたか
ひにしりたまはぬこそかなしけれ
【左頁】
物まうての人々おほくゆきかふも
わかおもふ人ににたるやおはすると
人しれす心をつくし給ひけるひめ
君は風のたよりにもみやこのをと
つれやあるとうはのそらにまち
くらしたまふいかなるつみのむ
くひにておなしさとにありなから
御心をくたき給ふらん