翻刻!草双紙の世界

コレクション: NDL鳥居清長

新板替道中助六 : 3巻 - 翻刻

新板替道中助六 : 3巻 - ページ 2

ページ: 2

翻刻

《割書:富士之白酒(ふしのしろさけ)|安倍川紙子(あへかはかみこ)》新板替(しんはんかわりました)道中助六(だうちうすけろく) 土山(つちやま)の雨(あめ)を。店清搔(みせすがゞき)とうたがひ。長持唄(ながもちうた)を河東節(かとうふし)と聞(きゝ)なしては。 意休(いきう)が顔(かほ)の朝日(あさひ)でとける。富士(ふじ)の白雪(しらゆき)に総角(あげまき)が白粉(おしろい)を思ひ。助六が 一つ印篭(いんろう)には。虎(とら)が石(いし)を以(もつ)て根付(ねつけ)とし。十団子(とうだんご)□【を?】以て緒〆(おじめ)とし。五葉牡丹(ぎよようぼたん)は 脚半(きやはん)にかけ。蛇(しや)の目(め)の傘(かさ)は菅笠(すげかさ)にかはり。鶴見(つるみ)の饅頭(まんぢう)を最中(もなか)の月と 味(あぢは)ひ。梅(むめ)の木(き)の和中散(わちうさん)を袖(そで)の梅に比(くら)べては原(はら)くるしはらも新吉原(しんよしはら)と し。大津八町(おゝつはつちやう)も土手(とて)八丁とし。きみなら漬(つけ)は桑名(くわな)の名物(めいぶつ)。 しんぞ命(いのち)を安倍川餅(あべかはもち)。馬(むま)で通(かよ)ひし古(いにしへ)の。廓(くるは)に似(に)たる道中(だうちう)助六。 江戸紫(ゑどむらさき)の鉢巻(はちまき)に。かはる三巻(みまき)の青表紙(あおびやうし)。これ双六(すごろく)の前書(まへかき)は不出来(ふでき)に なりける次第なり  寛政五癸丑春 山東京伝序