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コレクション: コレクション3

BnF. Département des manuscrits. Japonais 608 - 翻刻

BnF. Département des manuscrits. Japonais 608 - ページ 28

ページ: 28

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【右帖】 客来ツて叱つて曰ク 足下の細画委きに 過たり故にゑにあらずと 譏る人多し改ルにしかじ 答て智者は其智に誇る 業等閑にして文雅を 礼としあるは流行を常 として智を以て世に鳴ル わざ鈍キは老て下タる事 速なり幸に天我をして 遇ならしむ剩文盲にして 古法に縄セられず去年 を悔ヒきのふをはぢひとり 塞翁が馬に鞭うつて 此道に走る事をほしひ まゝにす齢八旬にちかしと いへど眼気筆力壮年に かわらず百歳の命を 保チて独立のこゝろざしを じやうじゆせん事を思ふ 是客も命あらば老人が 言の違ざるを見給ふべし 客いかつて帰る不学者の 論一笑に備ふ而已 【左帖】 齢七十七《割書:前北斎為一改》画狂老人卍筆【印】  剞劂        江川留吉【印=五常亭】 《割書:諸識|画本》葛飾新鄙形(かつしかしんひながた)《割書:出来|発兌》《割書:界方木(ひじやうき)に馴(な)れさる初心(しよしん)の人〳〵の|為(ため)に其(その)大体(たいてい)を略(りやく)すのみ余(よ)は冊々(さつ〳〵)|を操返(くりかへ)して自得(じとく)し給ふべし》 同  中編《割書:初編目録(しよへんもくろく)に漏(もれ)たるを著(あらは)し猶(なほ)つくさざる後(のち)の巻(まき)に画(ゑが)く|画(ぐわ)を学(まな)ぶの外(ほか)諸細工(しよさいく)の一助(いちじよ)とならん事を要(えう)すされば|宮殿堂塔(きうでんだうたふ)の外 数々(しば〳〵)の形像(けいぞう)を写(うつ)すものなり》 同  下編《割書:前の二冊は初学(しよかく)の■安(いりやす)きのみを専(もつは)らにす三 編(へん)に至(いたつ)て|良(やゝ)往昔(わうせき)より写(うつ)しがたきむづかしき形(かた)入組(いりくみ)たるを著(あらは)す|桟(さん)船(セん)水車(すゐしや)器材(きざい)等 人物(じんぶつ)鳥獣虫魚(でうじうちうぎよ)に至(いた)る迄を図(づ)する也》 新鄙形続編(しんひながたぞくへん)《割書:見馴(みなれ)ざる上世(じやうせい)の製作(セいさく)偶(たま)〳〵存在(そんざい)するといへとも層(そう)〳〵たる|徑路(けいろ)或(あるひ)は険岨(けんそ)にして雅地(がち)にあらざれば風流(ふうりう)の遊客(ゆふかく)は|さら也 旅人(りよじん)も爰(こゝ)に入事 稀(まれ)なるべしと其(その)珍(めづら)しきを出(いだ)すのみ》