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翻刻
【柱】古今巻六 〇十
地におちさる事かくのことし
志賀ノ僧正《割書:明尊》本よりひちりきをにくむ人なりけり
或時明月の夜/湖(こ)上に三(みつの)船をうかべて管絃和歌/碩(うたふ)【頌ヵ】
物の人を乗せて宴遊しけるに伶人等其舟にのらん
する時いはく此僧正は篳篥(ひちりき)にく美(み)給人也しかあれば
用枝はのるべからずことにかりなんずとてのせざりければ
用枝さらば打物をもこそつかまつらめとてしゐてけり
やう〳〵深更(しんかう)に及程に用枝ひそかに篳篥をぬき出し
て湖水(こすい)にひたしてうるほしけり人々見てひちりき
かととひければさにあらず手あらふなりとこたへて何