翻刻
【右丁】
[甘菊(かんきく)花《割書:花五六月より|十月まで》]葉(は)つねの菊葉(きくのは)の順(めぐ)り丸(まろ)し花(はな)の色(いろ)白黄(しろき)
さかやき有菊也 高(たか)さ一尺(いつしやく)ばかり又(また)は四五寸斗(しごすんばかり)山谷(やまたに)に有(あり)野原(のはら)にも
有あぢはひ甘(あま)きを以て甘菊といふ菊児童(きくじどう)にあしらふも是(これ)なり
【縦罫線】
唐本草(たうほんさうに)菊花(きくくは)一名(いちめいは)女節(じよせつ)一名(いちめいは)女華(じよくは)劉蒙菊譜(りうもうがきくのふ)三十(さんじう)
五品(ごひん)又(また)三十二品(さんじうにひん)范石湖菊譜(はんせきこがきくのふ)七十二種(しちじうにしゆ)今(いま)不(す)_レ止(とゞめ)_二
一種甘菊(いつしゆのかんきくを)_一茎(くき)紫(むらさき)気(き)香(かうばしく)味(あぢはひ)甘(あまく)花(はな)深黄(しんくはう)単葉(せんよう)有(ある)_二粥膜衣(しゆくもい)_一
者(ものを)為(す)_レ真(しんと)取(とりて)_レ花(はなを)作(なし)_レ糕(もちと)并(ならひに)鹹烹(しほににして)飲(のみて)佳(かなり)又(また)有(あり)_二鴛鴦菊(えんわうきく)五月
菊六月菊_一陸亀蒙(りくきもう)有(あり)_二把菊賦(はきくのふ)_一曽(かつて)端伯(たんはく)以(もつて)為(す)_二佳友(かいうと)_一
【縦罫線】
[しらん《割書:三四月花咲|けいとも云》
紫(し)けい共云《割書:漢名(かんめう)》白及(はくきう)]
葉 黄蕙(わうけい)のはに似(に)てながくこはし花しのたち
のびてらんのごとき本紫色(ほんむらさきいろ)の花さく花のうち
舌(した)あり同(をなじ)く紫いろに白き粟紋(なゝこ)すこし有あり又うすむら
さき有うすけいとも紫けいともいふ又白けいといふ有花のいろ
白し一 種(しゆ)白に紫の咲(さき)わけ有葉ほそく長(なが)しつねの葉よりは小(こ)
【左丁】
葉(は)にして茎(くき)をまきだん〳〵に葉 出(いつ)る至極(しごく)見事(みごと)なり
【縦罫線】
[けまん草《割書:漢|名》
荷苞牡丹(かはうぼたん)
《割書:又》黄(き)けまん
漢名 馬芹(ばきん)]
はなのかたちけまんのかたちだん〳〵につらなり
黄(き)けまん菊(きく)のかたちやぶにんじんの葉のごと
しはなのかたちせいらんのはなに似(に)て色(いろ)
黄(き)なりけまんの名(な)あれともくさみしかく
別(べつ)にちがひありはな三四月まであり
【縦罫線】
[熊谷草(くまかへさう)《割書:花三月》
敦盛草(あつもりさう)《割書:花二月》]
花のかたち母衣(ほろ)のごとく色白く葉は款冬(ふき)の
葉に似(に)てこはくあつしまた敦盛草(あつもりさう)は
色(いろ)うす紅(べに)也葉さゝばなり花のかたち似(に)たり是(これ)其類(そのるい)漢名 莪朮(がじゆつ)
【縦罫線】
[ほたる草《割書:四月中|はな有》]葉 柳葉(やなぎのは)に似(に)てあつくつや有花ちいさく
いろ本(ほん)るりそこ白しるりと白との間(あいだ)にあいべにのほし
入(い)りうちにほそきしへあり至極(しごく)見事なり蔓(つる)生(しやう)
ず茎(くき)をふせ根(ね)をおろすほたるかづらともいふ又るり草(さう)
とも玉(たま)かづらともいふたけ五六七寸ばかり谷(たに)にあり
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