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翻刻
【掛け看板】
《割書:打身|骨抜》即席御りやう治《割書:火出し仕候| 外家医前銭》
【暖簾】
瓢磐亭
【置き行灯】
江戸前 鯰大家破焼
なまづ 大かばやき
御披露(ごひらう)
一御町中様 万歳楽々(まんざいらく〳〵)御軒別(ごけんべつ)にゆらせられ仰天(ぎょうてん)
地獄(ぢごく)に奉存候しづまつて《割書:私義》 先達中(さきだつてぢう) 江戸前(えどまへ)
鯰大家破焼(なまつおほかばやき)自身(じしん)大道(だいだう)ざき仕候所ゆり出し焼失(しやうしつ)より
家蔵身代迄(いへくらしんだいまで)御ゆりあげ動揺向(どうようむき)被仰付候段 大変時(たいへんじ)こく
古今(ここん)に有(あり)がたく奉損(そんじたてまつり)候 猶又(なほまた) 今磐(こんばん)御 愁(うれ)ひの為(ため) 市中(しちう)なんぎめし
此末(このすへ)どうせう汁(じる) 打身骨抜即席(うちみほねぬきそくせき)御りやうぢ取合(とりあはせ)格別(かくべつ)
風儀(ふうぎ) 宜(よろし)く世直(よなほ)し仕差上可申候間 民(たみ)の竈(かまど)の御賑々(にぎ〳〵)しく
御威光(ごいくわう) 駕(が)之程 一偏(ひとへ)に奉願上候以上
【掛け看板】
市ちうなんきめし 《割書:御枚御一人前|五合宛》
此末どうせう汁 《割書:ことし一ぱい|難渋見聞》
卯十月二日夜ゟゆり出し 神座鹿島町
見勢【みせ】ひらき焼失
麁かゆ差上申候 かな目屋石蔵