← 前のページ
ページ 1 / 1
次のページ →
翻刻
【江戸大地震之絵図 寄別2-9ー1ー13 02ー013】
地震(ぢしん)けん
「 扨(さて)もこんどの大ぢしん 家(いへ)はぐはら〳〵
大へんな人はあはてゝどつちの方へ
参(まい)りましよ 合 土蔵(どぞう)と 瓦(かわら)でつぶされ
て 親父(おやぢ)に 子供(こども)がしかられてやつとはい
〳〵にけ出してこつちの方へ サア きなせへ
「 火事(くわじ)は所々(しよ〳〵)へもゑあがりにげる人こそ身
ひよこ〳〵またぐら〳〵どつちの方へ 参(まい)り
ましよ 合 やつたらむしやうとかけあるき
ぢ様がば様の手を 引(ひい)てはいる内こそ
あらばこそお 舟(ふね)へ サア きなせへ
「扨もふり出す 大雨(おゝあめ)にらいはじろ
〳〵いなびかりみなびしよぬれ
野宿(のじゆく)はできません 合 大へん〳〵
大さはぎ大工さんは手 間(ま)を 上(あげ)てしから
れたこれから 段々(だん〳〵) 世(よ)が 直(なを)り 金(かね) 設(まふけ)て サア きなせへ
【国立国会図書館】