翻刻
【右丁】
かへる成とてうらみ給ふこゑにおとろき
こはいかにとおもひ今内より出やすみ
さふらふとて出給ふもみちかさねのこ
うちきしとろ【しどろ=乱れたさま】にひきかけていそき
たち出たまへはひやうゑのすけの給ふ
やうへも此事うちにて聞しめし候
はんか今まてえ出なきこそうらみ入
て候へかしいとはせ給ふともこよひは
かりこそ雲の上にあとをとゝめ候はん
すれともまん〳〵とあるくかひにし
【左丁】
つみ我はたすかるへし共おほえす君
はゆゝしきくもの上にふるまひたまひ
てめつらしき事にもあわせたまひさ
こそとたにもおほしめし出たまはゝ
この世のちきりこそうすくとも後世は
ひとつはちすのゑんとなりまいらせん
とて御なをしかほにおしあて給へは
ないしは何事もしらせ給はす大かいの
なみのうへとはいか成事にかとのたまひ
候へは兵衛のすけ申給ふやうきゝ給ひて