← 前のページ
ページ 1 / 1
次のページ →
翻刻
【右丁】
恵慶(ゑけう)法師(ほうし)
八重葎(むぐら)
しげ
れる
屋どの
さびしきに
人こそ
見えね
秋は来にけり
【左丁】
右の哥の心はやへむぐらは草の名
なり其くさはびこりとぢていとさび
しきわがやどをばたづぬる人もなく
何もきたるものはあるまじとおもひしに
はたして人は見えねども只さひし
き秋のみは来たりて木のはおち
草かれていとゞさびしくなりたり
となりまことにさびしくたへがた
きさま目に見ることくの哥なり
【画面左側】
香蝶棲
豊国【國】画