翻刻
【右丁】
[山吹草
金糸梅(きんしばい)]
はなのかたち四つはなびらいろしごく本黄よるは
しぼみ昼(ひる)はひらく葉 野蜀葵(みつば)に似たり三月はなさく
【縦罫線】
[小青(せうせい)草
あづま菊]
葉 菥蓂(をになづな)のごとくにてきれなし花しの立五六本たちうす
紅いろきくのごとき花小りん又千本やりともいふ二月花咲
【縦罫線】
[いかり草 《割書:四五|月》
淫羊藿(いんようくはく)《割書:花| 有》]
花のかたちいかりのごとく色にこいむらさきうす紫有
葉ちいさく葉本ひずみ有 茎(くき)葉共にかたしまた白
はなあり三しなとも草に大小有大いかり小いかりといふ
【縦罫線】
[たんぽゝ]はなのかたち菊に似(に)たり茎(くき) ̄に無枝(えだなし)かうほねのごとく葉大
がゝり有てなずなのごとくざとり冬より葉を出し緑(みとり)にして霜(しも)を
うけてはのさきむらさきのこがれ有花の色黄又は白有又赤有と
いへども今に見ず花冬より咲も有多くは三月にさく
【縦罫線】
蒲公草(ほこうさう)旧(もと)不(ず)_レ著(あらはさ)所(ところ)_レ出(いづる)_二《振り仮名:州-土|しうどを》_一今(いま)処処(しよ〳〵)平沢(へいたく)田園中(てんえんのうち)
皆(みな)有(あり)_レ之(これ)春初(しゆんしよ)生(しやうず)_レ苗(なへを)葉(は)如(ごとし)_二苦苣(くきよの)_一有(あり)_二細剌(さいし)【刺ヵ】_一 中心(ちうしん)抽(ぬきんず)_二 一(いつ)
茎(けうを)_一茎端(けうたん)出(いだす)_二 二花(じくはを)_一色(いろ)黄(きにして)如(ごとし)_二金銭(きんせんの)_一断(きれば)_二其茎(そのくきを)_一有(あり)_二白汁(はくじう)出(いづる)_一
【左丁】
人(ひと)亦(また)噉(くらふ)_レ之(これを)俗呼(ぞくによんて)為(す)_二蒲英(ほえいと)_一 一名(いちめいは)構耨草(かうじよくさう)甘乎(あまくして)無(なし)_レ毒(どく)
主(つかさどる)_二婦人(ふじんの)乳癰腫(にうようしゆを)_一水煮(すいしやして)《振り仮名:汁_二飲|じういんし》【「汁-飲」ヵ】之(これを)_一及(をよひ)封(ほうずれは)_レ之(これを)立(たちどころに)消(しようす)
【縦罫線】
[あざみ
《割書:漢名》薊
《割書:三月花有四月|花開又五六月》
《割書:花有又秋さ|くもあり是》
《割書:は八月より|九月まで》
《割書:さくあざみ| なり》]
花に数(かず)多(をゝ)し白 末紅(すえべに)本紅(ほんべに)あるひはすへ紫(むらさき)雪白又かき
るりむらさきうす紅いろあり雪白に本紅のさき
わけありむらさきに白のさきわけあり二種とも
に至極(しごく)上品(じやうひん)なりまた日光(につくはう)あざみといふあり中(ちう)紫
大りん葉はつねのあざみと同じよく培養(そだつれ)ば至極(しごく)
大(をゝい)になるなりまた天竺(てんぢく)あざみといふもあり
朝鮮(てうせん)あざみともいふはな葉(は)ともに大(をゝい)なり
はなのいろるりむらさき葉つねのあざみよりはきれふかく
平江帯(へこたい)のはを見るごとしくさだち格別(かくべつ)をゝきく目(め)ををど
ろかせりまたことし黄(き)いろのあざみをはじめて見るはな
のいろかはりたるといふばかりにてこのむにたらず葉に
斑(ふ)の入りたるも野(の)あさみを泥胡菜(きつねあさみ)ともいふなり
【[ ]内の文字は枠で囲まれている。続きの文章はその枠の下から始まる。ただし、三十七~四十三行目は三十一~三十六行目の下に書かれている。】