翻刻
【右丁】
おもふともかなふましまつひやうえの
すけをうしなひてそのゝちひめき
みをもうしなはんことを心にかけて
あんしける所にやう〳〵五せつ【五せち(五節)】に
も成にけり此四位のせう將右大臣
の御子なれともあにのひやうゑの
すけとのにもにす【似ず】みめかたちも
をとりて心はあくまてもわろく我
よりうへの人をもおそれすみかとの
御めのとの子のきみよくして我心の
【左丁】
まゝに何事をもをこなひけれはくきやう
てん上人もにくきものにそおもはれ
けるみな〳〵おなし心にて五せつの
やみうちにせんとおの〳〵いさなひけ
りひやうえのすけとのはちゝう大臣
くさのかけにて御覧せんことさすかに
て此事いろうましとありけり扨五せ
つの夜にもなりけれはくきやうてん
上人我も〳〵とまいりたまひけり四位
の少将てんしやうのくちにたちてまた