翻刻
【右丁】
一種 アコニチュム
荷蘭(をらんた)の書(しよ)物印忙(うへいんまん)に黄花(きいろのはな)の物(もの)あり
葉(は)の花叉(きれこみ)甚(はなはた)細(ほそ)し和漢(わかん)ともに黄花(わうくは)
の物(もの)あることを聞(きか)ず#1
一種 白附子(はくふし)は詳(つまひらか)ならす
【左丁】
虎掌天南星(こしうてんなんせう)
時珍(しちん)は宋(さう)の開宝本草(かいほうほんさう)#2の天南星(てんなんせう)を合(あわせ)て一物(いちふつ)とす然(しか)れとも本草原始(ほんさうけんし)に虎掌(こしやう)と天南(てんなん)
星を分別(ふんへつ)す又 本草彙言(ほんさういけん)に南星(なんせう)即(すなはち)虎掌(こしやう)同類異種(とうるいいしゆ)と云 此説(このせつ)に従て二種とすべし
虎掌(こしやう) おほほそみ《割書:和名|鈔》 てんぐのはね《割書:加|州》 うらしまさう
ダラコニチュム《割書:荷蘭物|印忙》
虎々(しよ〳〵)#3山中にあり春(はる)《振り仮名:宿根|ふ【「る」脱】ね》より生(せう)す一茎 特生(とくせい)し頂(いたゝき)に九葉又十一葉も周(めく)りつく葉茎(はくき)の中頃(なかころ)
に花(はな)を生(せう)して一弁 蓮花(れんけ)の如(こと)く紫褐色(むらさきうるみいろ)花(はな)の中に長き鬚(ひけ)を垂(たる)根(ね)は半夏(はんけ)に似て大なり赤(あか)
色(いろ)周(めくり)に円(まる)き子を附して虎(とら)の掌(たなこゝろ)に似(に)たり故に此名(このな)あり
【版心の中央】虎掌