翻刻
《割書:大地震|大津浪》世直し万歳(まんざい)
時は嘉永寅の冬みるもさはぎまし升【ます】そうどう
ありけるあらましの飛出(とびだ)しさはぐわれらよりたれもおど
ろき皆目をさましあはてけるは誠に手ひどふさアはぎ
けるけふのゆさ〳〵は安座でどふも御家にゐられぬ皆も
大事おれもモウ出るかゝも逃よ夜通しゆさ〳〵とうらや
住の者共が今霜月四日辰の下刻にゆり出し長い事まじ
ない神をいのられぬふあふないなんぞと氣もませ給ふは
まことに祢ぶたふそふらひける今つなみ〳〵とつとこんだる
つなみ打たる浪の大ゆりうろたへこはい門の大ゆりあはて騒(さはい)で
はまがはこわいはまがは〳〵〳〵こわいなとゆつたる度に氣をもめそこを
打捨せと物屋をみたればらんちくさはぎ皿やかんちろりん疵(きず)ひゞ
ぎ皆 疵(きず)しやびん色々 結構(けつこう)かざり立てあぶないしが 忽(たちまち)にくづけ
しや落して破(われ)たる雑(ざう)ばち迄ゆりこうなる昨(さま)野にも集(あつま)る皆よれ
これよれ諸方(しよはう)の御蔵もどつさり〳〵〳〵〳〵〳〵 瓦(かはら)も傾(かたむ)く世上には取済(とりき)た
門(かど)には集(あつま)るどつちもこつちもいかれんのこわいことは後(のち)の世直(よなを)し