翻刻
清鮮(せいせん)なる水(みづ)の成分(せいぶん)は其重量(そのちようりやう)を以(もつ)て云ヘば酸素(さんそ)
八十八|分(ぶん)九|水素(すいそ)十一|分(ぶん)一六より成るものなり
またその形容(かたち)の大小に拘つて論ずれは水素(すいそ)二
分(ぶん)と酸素(さんそ)一|分(ぶん)より成るものなり○水(みづ)は空気(くうき)よ
り重(おも)き事百十五|倍(ばい)にして一尺|立方毎(りうはうごと)に一千オ
ンスの量(りやう)ありまた他(た)の諸実体(しよじつたい)の如(ごと)く熱(ねつ)を与(あた)ふ
れば膨張(はうちやう)し冷(ひや)かなれば収縮(しうしゆく)す○水(みづ)は寒暑針(かんしよしん)二
百十二度(ど)の熱(ねつ)にて海面(かいめん)に在(あつ)て沸騰(ふつとう)すしかるに
空気(くうき)の圧力減(あつりよくげん)すればその熱度低(ねつどひく)うして沸騰(ふつとう)す
即(すなは)ち五百尺登(のぼ)る毎(ごと)に、必(かな)らす其|沸騰(ふつとう)する度(と)二百
十二|度(ど)より、各(おの〳〵)一|度(ど)を減(げん)するを見る
水(みづ)の分類(ぶんるい)
地球上(ちきうじやう)の水(みづ)、その姿勢(しせい)に由(よつ)て二類(にるい)とす、一を地中(ちゝう)
水(すい)と云ひ、二を地外水(ちぐわいすい)と云ふ、またその性(せい)に従(したが)ひ
て三種(さんしゆ)とす、一を鹹水(かんすい)、二を礦水(くわうすい)、三を淡水(だんすい)と云ふ、
○地中水(ちゝうすい)は殆(ほとん)ど皆淡水(みなだんすい)なり地外水(ちぐわいすい)は常(つね)に鹹(しほは)ゆ
し、但(ただ)し地中水(ちゝうすい)の中(なか)にも塩泉鹽湖(えんせんえんこ)なきにあらざ
れども、全地球(せんちきう)の地中水(ちゝうすい)を以(もつ)て比較(ひかく)すれば、甚(はなは)だ