みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

鎌先温泉由來記 - 翻刻

鎌先温泉由來記 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

 めより二三|回(ど)を浴(よく)して後(の)ち大(をほ)ひに胸腹(むねはら)すき  或(あるひ)は食物(しよくもの)の味(あぢわ)ひよきは全(まつた)く其(その)質(しち)に応(をう)したる  べし若(も)し胸(むね)苦(くる)しきか腹(はら)はりて食(しよく)進(すゝ)まず味(あぢわ)ひ  あしきは果(はた)して不相応(ふさうをう)なるべし 《箱:第三》  暑寒(しよかん)冷暖(れいたん)の候(こう)により又(また)は其(その)患者(くわんしや)の質(しち)により  て其(その)痛(いた)み所(ところ)に宜(よろ)しくとも余(ほかに)病(やまひ)あれば障(さわ)りな  きとも言ふ難(かた)し若(も)し相応(さうをう)せざると思(おも)ふ時(とき)は  先(ま)つ湯(ゆ)に入(い)らずして顔(かほ)を洗(あら)ひ惣身(さうしん)に度々(たび〳〵)湯(ゆ)  を掛流(かけなが)し身(み)を潤(うるほ)し其後(そののち)気(き)を鎮(しず)め静(しつか)に入(い)りて  滝(たき)に打(うた)れず長浴(ちようよく)せず一日に二三|度(と)浴(よく)して自(し)  然(せん)其気(そのき)に馴(な)れ一両日(いちりやうにち)位(くらい)にして終(つ)ひに相応(そうをう)す  るものなり 《箱:第四》  温泉(をんせん)の滝(たき)を採(と)らんとするに男女(なんによ)入(い)り交(まじ)りて  各(をの〳〵)先(さき)を争(あらそ)ひ強(つよ)きは弱(よわ)きを押除(おしの)け勝手(かつて)自儘(じまゝ)に  用(もち)ゆることを許(ゆる)さず一二三と準次(しゆんじ)正(たゝし)くして  最(もつと)も混雑(こんさつ)なく後(あと)と先(さき)とを能(よ)く定(さた)め穏(をだやか)なるは  是(こ)れ浴室中(よくしつちう)の規則(きそく)なり 《箱:第五》