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コレクション: STAGE9

地震津浪末代噺の種 全 - 翻刻

地震津浪末代噺の種 全 - ページ 20

ページ: 20

翻刻

《割書:大地震|大津浪》太功記十段目秡文句 【上段】 しあん投首(なけくび)   津なみては船         した荷(に)主 おもひをくこと  よういして   さらになし    ばんばへ出た人 早本国へ   遠方てつなみ 引とり給へ  の噂(うはさ)聞人 あはやと見ゆる   ふる家急に 表(をもて)口数ケ所の手|疵(きす)  宿かへする人 顕(あら)はれ出(いて)たる  まいはん         西に黒雲 ぬき足(あし)  へたり掛たる家へ   さし足  忘物取に這入人 わつと玉(たま)ぎる  地(ち)しん最中(さいちう)産(さん)   女のなき声(こえ)   の気(け)の付(つい)た人 聞(きこ)ゆるもの音(おと)  大道(だいだう)畳(たゝみ)敷(しひ)て こゝろえたりと  内にゐる人 互(たかひ)の身(み)の   注文物(ちうもんもの)船(ふね)へ   しあはせ    つまなんた人 水あげかねし  大地しん   風(ふ)ぜいにて   蔵仲仕(くらなかし) 末世(まつせ)の記録(きろく)に  大黒(たいこく)ばしへ のこしてたべ  つまつた船 操(みさほ)の鏡(かゞみ)   住よしの浜(はま)   くもりなき  つなみなし 【下段】 他家へ縁付   大はそんした して下され   家ぬし 詞はゆるかぬ   大坂の   大はん石      御城 しるしは目前   家ちんの これを見よ    やすい古家 追々都へ   諸国よりの   はせのほる   見舞状 高名手がらを   見るやうな   普請方 我(われ)又孫呉が  大道へ素人細工の   秘術をつくし  小家たてる人 とかふ言内   かんばん出した 時こくが延る  道頓堀の芝居 まだ祝言の   地しんて    さかつきを   延(のひ)たこん礼 あたりまば   下やしきへ逃(にけ)る   ゆき出立は   北廻の御寮人(これうにん) 行方しらす   津なみて   なりにけり   おちた橋々 さやうなれは  明地のある所へ 御遠慮なし   とまりに行人 めでたい〳〵   家内に          けがのない