翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

火水風災雑輯. [1] - 翻刻

火水風災雑輯. [1] - ページ 12

ページ: 12

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野和魔獅子 此ノ度(たび)世(よ)に珎(めづ)らしき 野和魔獅子(やかましし)と云 怪獣(くはいぢう) 出(いで)たり抑(そも〳〵)獅子(しし)は其種類(そのしゆるひ) 最多(もつともおゝ)し散財図会(さんざいづゑ)に 委(くはし)く誌(しる)せり先(まづ)「王耶山(おゝやさん)」より【ゟ】 出(いづ)るを《割書:隠居獅子(いんきよしし)|苦累獅子(くるしし)》共(とも)云(いふ) 「ヨアキンド」より出(いづ)るを 《割書:天当獅子(てんとふしゝ)とも云(いふ)|又 加鯰獅子(かなしゝ)共云(ともいふ)》「バンヤ」の 際(わき)「カザリツケ」より【ゟ】 来(きた)るを 《割書:合力獅子(かうりよくしゝ)といゝ|また馬伽羅獅子(ばからしゝ)と云》「ヨバン」より 渡(わた)るを《割書:勢(いき)ひ獅子(しゝ)いゝ又|以也良獅子(いやらしゝ)と云(いふ)》「ヂメン モチ」より出るを《割書:忌々獅子(いま〳〵しゝ)と云|又(また)長者獅子(てうじやしゝ)と云》 「ゴホフビ」より渡(わた)るを《割書:宇(う)|曽(そ)》 《割書:良獅子(らしゝ)といふ又|神楽獅子(かぐらしゝ)ともいう》たゞ「リウ コシヤ」より出るは《割書:宇礼獅子(うれしゝ)と|いゝ又 存財(ぞんざい)》 《割書:割書の一とも|いふ》此の野和魔獅子(やかましゝ)は 大民(だいみん)油断(ゆだん)の産(さん)にして 対馬(つしま)の国(くに)に渡(わた)り夫(それ)より 東都(とうと)へ渡(わた)り駆廻(かけまは)る事(こと)は 昼夜(ちうや)休(やすむ)時なし虎(とら)は 嘯(うそぶい)て風(かぜ)を生(しよふ)ずと伝(つとふ)れども この獣(けもの)は風(かせ)の烈(はげし)きに随(したがつ)て 勢猛(いきおいはげし)く砂煙(すなけむり)をあげ 地響(ぢひゞき)して爪音(つまおと)喧(かまびす)く鉄棒(かなぼふ)の如(ごと)く尻尾(しりを)逆立(さかだち)て割竹(わりだけ)の声(こへ)あり走処(はしるところ)に【「小」では。「小児」で「こども」の振り仮名だと思いますが。】児(こども)の夢(ゆめ)を驚(おど)し 諸【原文の字の旁は「者」ではなく「農」だと思います。とすれば「「濃」で「こまやかな話」の意になりますが自信はありません。】話(はなし)の腰(こし)を折(おる)其災(そのわさはい)多(おゝ)しといへども元来(もと)火防(ひぶせ)の獣(けもの)にして火難(くわなん)少(すくな)きこと不思議(ふしぎ)なり 願(ねがは)くは長(なが)く此 獣(けもの)を養育(よういく)し置(おき)て火防(ひぶせ)となさんことを万民(ばんみん)これのみ悦(よろこ)びぬ   于時火衛御年鼠年(ときにかゑいこねんねづみのとし)     蛮人(ばんにん)   呉狗楼仙伴録(ごくろうせんばんしるす) (半狂)