翻刻!地震・災害史料

コレクション: NDL地震・火山

火水風災雑輯. [1] - 翻刻

火水風災雑輯. [1] - ページ 52

ページ: 52

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凡(およそ)世上の災(わざはひ)といへる内/雷火天火(らいくはてんくは)等(とう)は 天の所為にして人力もて量(はかる)べからず されど平生より心慮なく火をば麁(そ) 略になし其身計にあらで其/余災(よさい) 他人に及事偏にいたはしからすや 今嘉永三戌年二月五日は朝より 北風/烈(はけしく)折から朝五ツ半時麹町五丁め 裏通より失火して高貴の御□を始(はじめ) 御はた本其外大小の御屋敷/且(かつ)は神社 仏閣あまた類焼(るいせう)なしける故(ゆえ)諸人力を 尽(つくし)防消(ふせきけす)と雖(いへとも)風/強(つよく)して思はず広大(くはうだい)に至(いたり) 冬天をこがし煙(けふり)雲(くも)を染家居は崩(くづるゝ)音 すさまじく遠近に聞ておびたゝし其夜の亥刻に火は静(しづまり)て 諸人安堵の□□なすと雖斯も世の煩(わづらひ)とならん事其/恐不少(おそれすくなからず) 我も人もつてめて火の元を大事になし殊(こと)に下人などに猶(なを) □く示て火を敬ひつかふときはかくつちの神の恵(めぐみ)をかふむり△下へ 《割書:上より|つゝく》△ 其家ます〳〵富さかえて 火災をのがるゝよし古書に 見へたり其外火は人を養い 徳ありて其恩をしらず みだりにあつかふ事ゆめ〳〵 有へからず是によりて 唯〻世の人の為にも成ぬ べき事と遠方の人にも しらせん便ともならんと 図をしるし拙言を添るのみ