翻刻
《ルビ:東風|コチ》《ルビ:北風|キタカセ》には雨降り西南の風には
《ルビ:旱|ヒデ》りす是いかなるものにや
対曰風は天地の《ルビ:噫気|イキ》なり人の《ルビ:噫|ア》
《ルビ:噦|クビ》のことし《ルビ:凡|スベ》て風といふ物は《ルビ:燥|カハキ》たる
気より生す天気《ルビ:潤|ウルヲ》はす地気又《ルビ:湿|シツ》
なき時は天地の間《ルビ:燥鬱|サウウツ》【左ルビ・カハキツカヘ】す此かわき
たる気上へのほらんとすれども上に
《ルビ:湿気|シツキ》なき時は此気《ルビ:瓢揚|ヒルカエリアガリ》《ルビ:施転|メクリ〳〵》【旋転か】して
風と成なり《割書:然トモ風ニ湿風(シツフウ)アルハ其風ノ触(フル)ヽ所ニ|ヨレリ海辺近キ所ニテハ潮(ウシホ)ヲ誘(サソフ)》
《割書:テ吹ク是|ニテ知ヘシ》夫れ風は二気の《ルビ:号令|コウレイ》にして若風
といふ物なくはものを養ふ事なく《ルビ:生|セイ》長
《ルビ:修蔵|シウサウ》の道《ルビ:断|タヘ》ぬへし《ルビ:風巾|タコ》をあけて
四季の風を《ルビ:考|カンゴウル》に時折節の替り有り
先春の風は下より上へ吹ゆへに《ルビ:地下|チカ》に
ある所の《ルビ:生理|セイリ》《ルビ:発出|ハツシユツ》せしむる也故に春は
先《ルビ:曠野|クワウヤ》より《ルビ:青|アヲ》し夏は風中を吹