翻刻
よりて日は《ルビ:地下|チカ》の《ルビ:正中|マンナカ》にあり月は
天上の《ルビ:正中|マンナカ》にある時大地に《ルビ:遮|サヘギ》
られて日の光リ月を《ルビ:照|テラ》すことなし
此時月蝕なり是《ルビ:全|マツタ》く《ルビ:変|ヘン》にあらす
《ルビ:詩経|シキヤウ》にも《ルビ:彼月而食則維其常|カノツキニシテシヨクセルハコレソノツネ》と?
あり《割書:算術(サンシユツ)ヲ以考ルコトハ秦漢(シンカン)ヨリ|後ノコトナリト焦氏(セウシ)筆|乗(セウ)ニアリ》又月の
《ルビ:桂|カツラ》といふ物は月は大地に《ルビ:倍|バイ》して大なれは
月中に見ゆる黒きものは大地の山
《ルビ:川林野|センリンヤ》の《ルビ:影|カケ》なり月の《ルビ:虚明|キヨメイ》よく
地の文をうつすなり日の中に黒みの
なきは其気火なるによつて《ルビ:烈々|レツ〳〵》として
物の《ルビ:影|カケ》をうつす事なく世の《ルビ:諺|コトハザ》には
月中に《ルビ:桂|カツラ》の木ありとも云ひ又は《ルビ:月宮|ゲツキウ》
《ルビ:殿|デン》とて大成宮殿ありとも云ひ或は
桂男とて人あり《ルビ:抔|ナト》と云説あり《割書:酉陽雑(ユウヤウサツ)| 俎(ソ)ニ曰月》
《割書:ノ桂(カツラ)高キコト五百丈下ニ人アリテ常ニ此木ヲ伐(キル)姓ハ呉名|ハ剛(カウ)西河(セイカ)ノ人也仙法ヲ学トテ過(トカ)アリテ謫(タク)セラレ此木ヲ》