翻刻
対曰|地震(ヂシン)はニ気の《割書:陰陽|ナリ》あいだのなす所
にしてたま〳〵はげしき事あれば家を崩(クヅ)
し人を傷(ソコナ)ふ事あり是|陰陽(インヤウ)の気|出動(イテウゴク)
にして全(マツタ)く物有てふるはすにあらす左伝(サデン)ニ
文公(ブンコウ)九年九月|地震(ヂシン)とあり正義(セウギニ)曰|陽伏(ヤウフク)し
て出る事あたはず陰迫(インセマツ)て昇(ノボル)事あたはす
爰におひて動(ウゴ)くとあり孔氏曰陽気陰
のためにせばめられて昇(ノボル)事を得す
故に地震すといへり又|史記(シキ)にも地震(ヂシン)は
陽伏(ヤウフク)して出ず陰迫(インセマリ)て昇(ノホラ)すこの故に
地震ありと記(シル)せり《割書:《ルビ:周本紀白陽|シウホンキハクヤウ》|《ルビ:甫|ホガ》説ナリ》是等(コレラ)は皆
地震の本説也|陰陽家抔(ヲンヤウケナド)のいつの地震は何
にたゝり幾日(イクカ)の震動(シンドウ)は病に祟(タヽル)なんど云事は
皆|迂怪(ウカヘ)の説(セツ)にして用(モチユ)るにたらず地震何ンぞ
変(ヘン)とせんや抑(ソモ〳〵)大地は本気渣滓(モトキカス)こり聚(アツマリ)
て形をなし元気旋転(ゲンキセンテン)の中に亘(ワタ)れり