翻刻
かくてかまだ
又八がちからきんごく
にいよ〳〵かくれなく
おしがとふうふ
ふつき になり
さかへけるぞめでた
けれ
嘉右衛門むすめ
おしがよろ
こぶ
【又八】
めで
たい〳〵はるのはじめに春ごま
をちからだめしにさしあげて
みよふかとりや
【おしが】
おまへと
めうとに
なり
これほど
うれしい
ことは
ござん
せぬ
富川房信画
現代語訳
かくして鎌田又八の力は近国にいよいよ隠れなく知られ、おしがと夫婦仲睦まじく暮らし、栄えたのは目出度いことであった。
嘉右衛門の娘おしがは喜んでいる。
【又八】
「目出たい、目出たい。春の始めに春駒を力試しに差し上げてみようか、鳥よ。」
【おしが】
「お前と夫婦になれて、これほど嬉しいことはございません。」
富川房信画