翻刻
頭書(かしらがき)増補(そうほ)訓蒙(きんもう)図彙(づゐ)巻之十四
龍魚(りようぎよ)
此部(このぶ)には海水(かいすい)川谷(せんこく)にすむ
もろ〳〵の龍蛇(りようじや)魚鱗(ぎよりん)をしるす
【上段】
○蛟(みつち)は龍(たつ)の角(つの)なき
ものなり四 足(そく)あり
せなか青(あを)まだらに
わき錦(にしき)のごとく水(すい)
中(ちう)又 深山(しんざん)幽谷(ゆうこく)にす
むなり
○龍(たつ)は鱗虫(りんちう)の長(ちやう)也
せなかに八十一の鱗(うろこ)有
九々の数(すう)をそなへたり
よく雲雨(うんう)をおこす
【下段】
蛟(かう) みつち
【手書き】
拾冊之内
現代語訳
頭書増補訓蒙図彙 巻之十四
龍魚
この部には海水や川谷に住む
さまざまな龍蛇や魚類について記す
【上段】
○蛟(みずち)は龍の角がない
ものである。四本の足があり、
背は青いまだら模様で、
脇は錦のように美しく、水中
また深い山の奥深い谷に住む
ものである。
○龍は鱗を持つ生き物の長である。
背に八十一枚の鱗があり、
九九の数を備えている。
よく雲や雨を起こす。
【下段】
蛟 みずち
【手書き】
十冊のうち
英語訳
Kunmō Zuii with Supplementary Headers, Volume 14
Dragon Fish
This section records the various
dragons, serpents, and fish that live
in seawater and mountain valleys.
[Upper section]
○The kō (water dragon) is a dragon
without horns. It has four legs,
a blue mottled back,
and flanks beautiful like brocade. It lives
in water and also in deep mountain valleys.
○The dragon is the chief of scaled creatures.
It has eighty-one scales on its back,
embodying the number of nine times nine.
It can summon clouds and rain.
[Lower section]
Kō (water dragon) mizuchi
[Handwritten]
Among ten volumes