翻刻
草の露何の苔もなく居直りし 一 茶
黄鳥に蔦葉らまえて眼きけり 武曰
はつ雪や老はものに母あき安き 雲帯
美濃 一箱
行春遠見て居る淀の渡り哉 美濃
加賀 繁
文火すえて其日母かえす花見哉加賀 甘谷
星 とうふくわん
近江
朝戸から辺に出たり花の雲 近江 申斉
炭くたく人になれけり朝すゝめ 千影
右の声遠増りして夜はかすむ 可盈
以松に盃さゝん保登ゝ岐者
黄鳥のある日野そまる柳哉 柏
けふの日を菊は忘れす八重花 しう
木からしの行違ふ名か嵐の 文常
白雨の過て人すむ庵哉《割書:飛騨|》儲史
長き日の卯月は鷺の世界哉越后巣也