翻刻
震雷考説
村上摂津平正隆述
〇定めなき世にさだまり有は|生者必滅(しようじやひつめつ)といへども|天然(てんねん)
を待(また)ずして|人命(じんめい)を損(そこな)うは|天災(てんさい)にあり五風十雨の季(き)
候(こう)狂(くる)ひて|五穀(ごこく)実(み)のらざれは天下|一統(いっとう)の|飢饉(ききん)となり
是より大ひなる愁(うれひ)なしされども治(ぢ)に乱(らん)を忘(わす)れざるは
|武士(ものゝふ)の習(なら)ひ年(とし)豊(ゆた)かなる時に|凶作(きょうさく)を思ふは|農家(のうか)の
常(つね)殊(こと)さら今は昔(むかし)とちがひ米を籾(もみ)にて囲(かこ)ひ粟(あは)を貯(たくは)へ
るの術(みち)を覚(おぼへ)し上は|違作(いさく)の年にも|露命(ろめい)をつなぐ事平日の