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コレクション: STAGE3

安政見聞誌 下 - 翻刻

安政見聞誌 下 - ページ 23

ページ: 23

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諸 非情(ひぜう)の赦(たすけ)はなるべし有情(うぜう)の気あるもの何ぞ暫(しばし)も持(たもつ)へき其上 焼木落重(やけぼくおちかさな)り 土性(つちの)しつ気を変(へん)じ大 熱(ねつ)と成ゆへ其 苦悩(くなう)百倍にして死(しす)凡 急変(きうへん)に臨(のぞみ)ては 心中 転動(てんどう)すべし尓共(しかれとも)右等の災害(さいがい)心付ざるべき因之(これより)後世の禁(いましめ)とす ▲同所京町 某(なにがし)は火を脱(のがれ)んと息(いき)を限に日本堤を駈(かけ)出しが此土手地震にて長 三間又は五間も裂(さけ)たり其間へ足を踏込動(ふみこみはたらく)事かなはず其うち郭(くるは)の火と田丁の 炎(ひのこ)雨のごとくなればいかせんと思ふ所に一人の壮士(わかもの)来りしかば是を呼止(よびとめ)て云(いはく)我おは 赦(たすけ)給はゝ持合す所の金百両進らせんと云に此男心得て土を掻退漸(かけのけやふ〳〵)に赦出し けるゆへ某は懐(ふところ)より財布(さいふ)を取出し金を探(さぐり)居間壮士は急に悪心おこり財布を引 たくり行衛しれず成けり尓(しかる)に梵天帝釈(ぼんでんたいしやく)の照覧(せうらん)あきらかにして右 曲(くせ)者は十月九日に 召捕(めしとられ)ける最初(さいしよ)約定(やくぜう)の百両を受取なば後の災(わさはい)はなかるべし若(もし)や他の難(なん)を見る時は 其身迄 危(あやう)きかへる見ず赦(すく)ひ一紙半 銭(せん)の報(むくい)を受(うけ)ざれば正に是 善根(ぜんこん)と称(せう)す況(いはんや) 百両を得ば何を不足ならん嗚呼(あゝ)愚念(ぐねん)は欲(よく)より起るといへる事を 【図書受入シール 横書き】 地震研究所 受入番号 1936(下) 日付  Dec,10,1926 部門  安政 番号  48(箱3)